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付き合ってないのに追いライン送りそうな人へ。引いた子が勝つよ

金曜の夜、うちの飲み会がはけたあとの改札前。一人で立ち止まったまま、スマホをぎゅっと握って動かない女の子がいた。画面には打ちかけのメッセージ。今日楽しかったね、また、のあたりで親指が固まってる。送るか、消すか。背中にじわっと汗が滲んでるのが、隣にいる私にも伝わってきた。

気になってる相手は、その日同じテーブルにいた男性。連絡先は交換した。なのに三日、既読がつかない。
もう一回送ったら重いかな、でも忘れられてたら終わりじゃん
この問答、頭の中で何周してるんだろう。

気になる相手から返事が来ない。五分が一時間に感じるよね。で、追いラインを送った子と、ぐっとこらえた子。その後がね、残酷なくらいくっきり割れるの。

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送りたくなるのは、会いたいからじゃない

そもそも、なんで送りたくなるんだろうね。会いたいから?ううん、ちょっと違う。沈黙が怖いの。返事が来ない空白に、頭が勝手に最悪の物語を流し込んでくる。他に好きな人いるのかな、もう冷めた?私といて、つまんなかった?この穴を埋めたい一心で、指がライン送信に伸びていく。会いたい気持ちより、不安を消したい気持ちの方が、正直でかい。

ここで効いてくるのが、希少性の原理ってやつ。人は手に入りにくいものほど価値を感じる生き物でね。追いラインは、その真逆を全力で走るの。立て続けにメッセージが届くほど、相手の中であなたの希少価値がするする下がる。いつでも捕まる人、待ってれば連絡が来る人。そう脳が認識した瞬間、ドキドキの賞味期限がぷつっと切れちゃうんだよね。

イベントの現場でもおんなじ。連絡先を聞かれて、その場で即パッと教える子より、あ、後でもいいですか?って一回ためる子の方が、男性が次の一手を考えはじめるの。追いラインって、その場の即レスを延々と続けるようなもの。相手に考える隙を一切あげないと、人って案外、追いかける気力をなくしちゃう。狩る楽しみがゼロになるっていうかさ。

返事が来ないと落ち着かない、確かめないと不安、っていうこの感覚。不安型の愛着スタイルが強い人ほど出やすいって言われてる。ダメな性格って話じゃないよ。ただ、その不安を相手に埋めてもらおうとすると、たいてい裏目に出るの。自分の価値を、相手の返信の速さで測りはじめちゃうから。既読がつかない、イコール私に魅力がない、みたいな変な等式が、心の中で勝手に成立していく。

毎日積み上がった通知が、彼を遠ざけた

前に、うちのイベントの常連だった二十代後半の女性ミナちゃん。彼女、合コン形式の回で知り合った男性に本気で惚れちゃって。最初の数回はラリーも続いてたらしいの。それがある日、ぱたっと既読スルー。

そこからの展開が、あぁ…ってなるやつでね。初日はお疲れさま、二日目はこの前のお店また行きたいな〜、三日目はスタンプ連打。四日目には、なんか怒らせた?の長文。トーク画面、追いラインでびっしり埋まってた。スクショを見せてもらった時、私、言葉に詰まったもん。

返信が来たのは一週間後。ごめん忙しくて、のひと言とスタンプひとつ。それきり。ミナが嫌われたわけじゃないと思う。でもね、通知が毎日積み上がっていくあのトーク画面を見たとき、男性側の気持ちがすーっと引いたのは、横で見てて手に取るようにわかった。重い、っていうより、余裕のない人に映っちゃったの。これがいちばん効いた気がするんだよね。

一回でやめた子に、彼の方から連絡が来た

逆をいった子もいる。同じ時期にいた、別の女の子。彼女も気になる人に既読スルーされてさ。一回だけ軽くラインして、あとはぴたっと止めたの。代わりに何したと思う?自分の週末を、ただ普通に過ごしてた。友達とごはん、ジム、行きたかった展示。その様子がSNSにちらほら流れてた。

二週間くらいして、男性の方から連絡が来た。最近どうしてる?って。これね、ザイガニック効果っていって、人は途中で止まったやり取りや満たされなかった関係を、頭の片隅でずっと引きずる習性があるの。追いラインは、その引っかかりを自分の手でほどいてあげちゃう行為。引くっていうのは、引っかかりをあえて残すこと。相手の中で、あなたが未完のまま居座る。

それに、自分の生活でちゃんと忙しそうな人って、ただ単に魅力的に見えるじゃん?暇でずっと返信を待ってる人より、こっちが送っても捕まらないかも、って思わせる人。追う側と追われる側が、静かにひっくり返る瞬間が確かにあるの。ミナの話とこの子の話、送ったメッセージの数だけ並べたら、こらえた子の方が圧倒的に少ない。なのに、繋がったのはこらえた子の方だった。

引くことと、駆け引きは、似てるけど真逆

ここ、勘違いしてほしくないとこなんだけど。引くっていうのは、計算ずくで相手を操る駆け引きとは別物だからね。わざと未読にして、何時間後に返そうかって時計とにらめっこ、みたいなやつ。あれは結局、相手の反応に振り回されてる点で追いラインと同じ穴のムジナなの。心の主導権が、ずーっと相手側に握られたまま。

本物の引きは、もっと地味で静か。相手から返事が来なくても、自分の一日がちゃんと回る。連絡が来たら来たで顔がゆるむ、でも来なくても平気。この土台がある人の余裕って、不思議と文面ににじみ出るんだよね。逆に、不安を握りつぶしながら送る、軽いふうのライン。あれ、なぜかバレる。人ってそういう匂い、敏感に嗅ぎ分ける生き物だからさ。

既読スルーと未読スルー、どっちがマシかで一喜一憂する人も多いけど。正直、追いラインを送るかどうかの判断材料としては、どっちもおんなじなの。既読でも未読でも、相手のペースが今そこにある、ってだけの話。それを自分のタイミングでこじ開けようとした瞬間、ペースの主導権をまた相手に差し出すことになる。待つのは負けじゃないよ。むしろ、自分の時間を自分の手で持ってる証拠じゃん。

送りたい指を、ラインから引き剥がす

とはいえ、送りたい衝動はマジで襲ってくる。夜中に、特にね。そういう時、常連の子たちに私が言ってるのはひとつだけ。送る前に、これは相手のため?それとも自分の不安を消すため?って、一回だけ自分に聞いてみて。だいたい後者なの。自分を落ち着かせたいだけ。だったらその不安は、相手じゃなく自分でなだめるしかないよね。

スマホを別の部屋に放り込む。靴を履いて歩きに出る。明日やることを紙に書き出す。手段はなんでもいい、とにかく親指をラインから引き剥がすの。一晩寝かせると、あの送らなきゃっていう焦りが、嘘みたいにしぼんでること、ほんと多いから。夜中のテンションで打った長文ほど、朝読み返してゾッとするものはないでしょ(笑)。朝の自分は、夜の自分よりちょっとだけ賢いんだよね。

それでも何ヶ月も一向に動かない関係なら…まあ、たぶん、そこまでなんだと思う。追いラインで無理やりこじ開けた扉って、開けた側がずっと押さえてないと閉じちゃうの。最初から、相性で会いに来てくれる人を待つ。その方が、長い目で見たら心がずっとラク。追いかけてる間って、自分の人生の主役の椅子を、こっそり相手に明け渡してるようなものだからさ。

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