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警戒心が強い美人の落とし方と、彼女が心を閉じた本当の理由

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乾杯から十五分、いちばん囲まれていた子がいちばん誰とも話していなかった

四十人ほど集まった金曜の夜、フロアの声はもう相当うるさい。 その中で、壁際にひとり。 入店した瞬間に空気がざわっと動いたのを覚えてる。誰が見てもきれいな子だった。 なのに彼女の周りだけ、半径一メートルが空いてるの。

話しかける男性は途切れなかった。三分でひとり、また三分でひとり。 彼女は笑うし、うなずくし、感じもいい。 ただ、目の奥だけ、ぴくりとも動いてなかったんだよね。

解散後、駅の改札前。彼女がぽつりと言った。 「今日、名前を聞かれる前に顔の話を五回されました」 責める声じゃなかった。天気の話をするみたいな平熱。

美人なのに彼氏ができないのは、美人だからなんだよね

彼氏がいないのは、選り好みでも高望みでもない。

まず、声をかけてくる男性の層がごっそり偏る。 きれいな子に真正面から突っ込める人って、実質二種類しかいないの。場慣れしすぎて数を打ってる人か、断られても痛くない距離で遊んでる人。 本命として大事にしたいタイプほど、勝てる気がしなくて黙るじゃん。 だから彼女の前に並ぶのは、軽い接触ばかりになる。 三十人に声をかけられても、中身の話をしてくる人はゼロ。これが十年続いたら、警戒しないほうがどうかしてるでしょ。

同性の側でも似たことが起きる。 うちの参加者で、化粧品メーカーに勤める二十九歳の子がいてね。学生時代からずっと、グループの中で少しだけ席が遠かったらしい。悪口を言われるわけじゃない。ただ、飲み会の写真から自分だけ切り取られてたり、合コンの誘いが自分にだけ回ってこなかったり。 「敵じゃないよって証明し続ける役だったんです」 そう言ったとき、彼女はグラスの水滴をずっと指でなぞってた。

いちばんきついのは、この話をどこにも置けないこと。 美人なのに悩んでるって前置きした瞬間、会話が終わる。贅沢だね、で処理される。 悩みを相談する権利ごと取り上げられてるんだよ。孤立が二重になってる。

そして恋愛の初期練習。ここをごっそり飛ばされてる子がほんとうに多い。 十代で告白されまくった経験と、誰かを好きになって不器用に近づいた経験は、別物なの。 前者は受け身の処理で、後者だけが練習になる。 処理ばかり百回やって、練習がゼロのまま二十代後半に着地する。そりゃ怖いよ。

中身を見せた瞬間に消えられた記憶が、壁を厚くしてる

ある三十二歳の子が、二次会のカウンターでぼそっと言った台詞が忘れられない。 「私、ちゃんと知られたら選ばれない気がしてて」 言いながら、指先で紙ナプキンの角を細かく折ってた。折って、開いて、また折って。

彼女は過去に一度だけ、かなり深いところまで見せた相手がいた。ゲームばっかりしてる話、実家の込み入った事情、朝が死ぬほど弱いこと。 返ってきたのは「イメージと違った」という一言と、既読無視。 それ以来、三回目のデートまでに必ず自分から冷めるようになったって。

これ、蛙化とか面倒な女で片づけられがちだけど、違う。 先に自分から離れておけば、捨てられないから。 警戒心って性格じゃなくて、機能なんだよね。ちゃんと守ってきた実績がある。 だから直そうとすると、まず失敗する。守りを外す前に、守らなくていい相手を見分ける目のほうを作らないとダメなの。

ここから男性へ。あの壁は、あなたへの評価じゃない

会場で何度も見たパターンがある。 きれいな子に話しかけて、そっけない反応を受けて、席に戻ってから急に静かになる男性。 俺、格下だと思われたそう、解釈したのが背中でわかるんだよ、ほんとに。

でもね、彼女はあなたを値踏みしてない。 その日あなたの前に来るまでに、すでに四人から同じ質問をされてる。仕事なにしてるの、彼氏いるの、モデルとかやってた。 四人目に対して初対面の熱量を出せる人間なんていないっしょ。 冷たかったんじゃなくて、電池が切れてただけ。

うちの会場で、はっきり滑っていく行動もだいたい決まってる。 容姿を最初の三十秒で褒める人。これは、彼女がいちばん聞き飽きた言葉を五人目として重ねる行為だから、届く前に弾かれる。 それから、その子だけ露骨に特別扱いする人。ドリンクを運ぶのも席を空けるのも彼女だけ。周りの女性が一瞬しーんとなるあの空気、本人だけが気づいてない(笑) 連絡先を交換した翌日に長文を送る人も、まあ返ってこない。 他の男性を下げて自分を上げにいく人は、その場で終了。彼女は男を比較する会話に、もう疲れきってる。

三か月後に付き合ってた人は、そろって「口説いてなかった」

去年のバーベキューで知り合った二人が、今も続いてる。 男性のほうは三十四歳の内装業。話がうまいタイプじゃないし、正直、初対面の印象は薄かった。 彼がやってたのは、肉を焼き続けることだけ(笑)

ただ、その日ずっと全員に同じ温度だったの。 彼女にだけ声を張ることもなく、飲み物が減った人に順番に聞いて回って、片づけの終盤まで残ってた。 彼女がぽろっと「野球見るんですよ」と言ったときも、食いつかずに一言だけ返して肉に戻った。

イベントが終わって二週間、彼から連絡はなし。 次の回で顔を合わせたとき、彼女のほうが先に手を上げてた。 あのときの彼女の目、初回とは別人だったよ。

同じ構図を、たぶん十数回見てる。 うまくいく人は、彼女を落としにいってない。 落としにいく人は、態度が彼女の前だけで変わる。その変化が、彼女には過去三十人と同じ形に見える。だから壁が一段厚くなる。

順番としては、まず存在を認識してもらう段階がある。ここは特別なことをしない時間。 次に、この人は自分を性的な対象としてだけ見てないと確認される段階。ここでほとんどの人が脱落する。急ぐから。 そのあとにやっと、彼女のほうから少し中身を出してくる。実家の話とか、仕事の愚痴とか。ここで食いついて距離を詰めると、また戻る。 受け取って、大げさに扱わない。それだけ。

一貫性がすべてなんだよね。 週に一度の連絡でも、それが三か月ぶれないほうが、毎日の長文より効く。 彼女が測ってるのは熱量じゃなくて、変わらなさだから。

警戒心は直さなくていい。開ける相手の基準を変えるだけ

女性側に伝えたいのは、ここ。 壁を壊す努力は、しなくていい。 壊した子から順に傷ついてきたのを見てるから、軽々しく勧められないよ。

代わりに、判定の材料を変えてほしい。 初対面の印象で見ないこと。あなたの前では全員が良い顔をするから、初回の情報はほぼ使えない。 見るなら、二回目と三回目。あなたがそっけなかった日と、機嫌がよかった日で、相手の態度が同じかどうか。 あなた以外の人への扱いも見て。店員さん、幹事、その場でいちばん立場の弱い人。そこがいちばん正直に出る。

そして、少しだけ出す練習。全部見せる必要なんてない。 朝が弱いとか、休日は十二時まで寝てるとか、その程度の情けない一枚から。 それで態度が変わる相手なら、今わかってよかったじゃん。

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