イベントの打ち上げで、部屋の隅にスマホを握りしめた男の子がいてね。声をかけたら、ぽつり。「今日はたぶん、返ってこないっす」って笑うの。彼が待ってる相手は、三メートル先で別の男と楽しげに乾杯してた。
これがね、都合のいい男の完成形なんだよね。
そう思いながら、私は彼の隣に腰を下ろした。社会人イベントサークルを何年も回してると、この構図、数えきれないくらい目撃してきたから。だいたい、みんな同じ顔してる。
あなたを便利に使う女が、心の中で考えてること
まず、耳が痛いとこから。 あなたを便利に使ってる女は、あなたを恋愛対象として見てない。ほぼ確定。ここをやんわり濁す恋愛コラムが多すぎるんだけど、私はハッキリ言うよ。好きな人に対して、人間って「用があるときだけ優しい」にはならないの。片思いしてる相手にそっけなくできる人、いる?いないでしょ。
女が男をキープする動機は、だいたい三つに絞れる。 ひとつは寂しさの穴埋め。夜にひとりが心細い日、既読がつく相手がほしいだけ。感情の絆創膏みたいなもんだよね。ふたつめは承認欲求のエサ。あなたの好意そのものが、彼女にとってのサプリなの。効き目が切れてきたら補充する、それだけ。みっつめは、身も蓋もないけど実利。車で送ってくれる、ごはん奢ってくれる、荷物持ってくれる。これ、恋愛じゃなくて業務委託じゃん(笑)
イベントで知り合ったユミさん(仮)が、二軒目のカウンターでぶっちゃけたことがあってさ。「本命じゃない子には、こっちが困ったときだけ連絡するかな。向こうから毎日くるのは、正直ちょっと重い」って。悪気なんて一ミリもない顔で言うわけ。背筋がざわっとした。でもこれ、女のいちばん正直な部分なんだよね。あなたが夜な夜な打ち込んでる長文、彼女の中では通知欄の一行で処理されて、そのまま忘れられてる可能性がある。はぁ…書いてて切ないけど。
逆にね。同じユミさんが半年後、別の男の話をしてたとき、顔がまるで違ったの。「あの人からの連絡、なんか嬉しいんだよね」って、声のトーンまで上がってた。その彼は即レスもしないし、送迎もしない。忙しい日は普通に既読スルーする人だったんだって。丁寧に扱うより雑に扱うほうが好かれてる、この理不尽…。納得いかないよね。でもこれが、現場で何百回も見てきた現実なの。
気があるか、ないか。分かれ目はひとつだけ
じゃあ気があるのかないのか、どこで見抜くか。 拍子抜けするくらい簡単だよ。会う日程を、彼女が自分から動かしてくるかどうか。都合のいい男に対して、女は絶対に予定を明け渡さない。いつも彼女の空いた時間に、彼女の生活圏に、彼女の気分で呼び出される。反対に本命なら、女は自分のスケジュールをこじ開けてでも会いにくる。ここが分水嶺。会う場所も時間も全部向こうが握ってるなら、答えはもう出てるの。
もうひとつ、わかりやすいサインがある。あなたの話をどれだけ覚えてるか。この前こぼした仕事の悩み、飼ってる猫の名前、苦手な食べ物。都合のいい相手の情報を、女はあんまり保存しない。興味の総量が、記憶の細かさに漏れ出るんだよね。毎回同じ質問されてる気がするなら、まあ、そういうこと。
そもそも、どこで便利枠に振り分けられたの?
考えてみてほしいの。最初から都合のいい男だった人なんて、いないんだよね。どこかで、便利枠に振り分けられた瞬間がある。
落ちるのは、だいたい序盤に頑張りすぎた人。出会って早々、毎日おはようからおやすみまで送って、相手が落ち込んでたら夜中まで付き合って、誕生日には予算オーバーのプレゼント。好かれたい一心なのは痛いほどわかる。でも女の側からすると、まだ何ひとつ差し出してないのに全部もらっちゃった状態なの。手に入れたものに、人は必死にならないんだよね。狩りの途中で獲物が自分から鍋に飛び込んできたら、拍子抜けするでしょ。
イベントでよく耳にするのが、「あの人、いい人なんだけどね」ってセリフ。この“なんだけどね”の後ろに、恋愛感情の不在が全部詰まってる。優しさで減点はされてない。でも加点もされてない。ドキッとさせるための余白を、自分で先に埋め尽くしちゃったの。
追いかけたいって気持ちは、ほんの少し届かない距離にしか芽生えない。全部見せて、全部あげて、いつでも会える人になった時点で、その距離はゼロ。ゼロの相手に、胸は高鳴らないんだよね。
頭ではわかってる。なのに指が「おやすみ」って送っちゃう
ここまで読んで、たぶんもう心当たりだらけだと思う。 なのにやめられない。これがいちばん苦しいとこだよね。わかるよ。
やめられないのにも、ちゃんと正体がある。 ひとつはサンクコスト。ここまで注いだ時間もお金も気持ちも、無駄でしたって認めたくない。半年ぶんの送り迎えが、あなたの足首に錘みたいに巻きついてる。撤退が正解でも、脳みそが損切りを全力で嫌がるの。
もうひとつは、いつか気づいてくれるっていう淡い期待。優しさをコツコツ積み立てたら、いつか愛情に両替できると信じてる。断言するね。その両替窓口、どこにも存在しない。優しさは通貨にならないの。どれだけ貯金しても、本命には昇格しない。
そして見捨てられ不安。やめたら彼女を丸ごと失う、その空白が怖くて、使われ続ける痛みのほうをつい選んじゃう。愛着の心理に近い話で、失う恐怖が現状維持のブレーキを握りしめてる。頭ではわかってても、深夜になると指が勝手に動くんだよね。
都合のいい男かどうか、ぜんぶLINEに漏れてる
都合のいい男のLINE、特徴がくっきりしてるの。 まず即レス。通知が鳴った瞬間、コンマ一秒で既読つけて返してるでしょ。次にお伺い文体。「もし良ければ」「都合よかったら」「迷惑じゃなければ」、この三点セットが並んでたら黄色信号を通り越して赤。最後に、温度差。相手の一行に、こっちは五行で返す。この熱量の落差が、そっくりそのまま立場の落差なんだよね。
イベント常連のケンジくんは、未読に耐えられなくて追いLINEを連投しちゃうタイプだった。「昨日のことなんだけど」「あ、忙しかったよね」「ごめん、返信いつでもいいから!」。まさかの三連投。画面を見せてもらって、思わず天を仰いだよ(笑) これ、相手からしたら追われてるプレッシャーだけが残って、恋愛感情はぴくりとも動かない。むしろ引く。逆効果ってやつ。
立場をひっくり返す、LINEの組み替え方
だから、こう変えてみて。
即レスをやめる。これがいちばん効く。鳴っても、すぐ開かない。数十分、ときには数時間、寝かせる。(既読つけたい…つけたい…!)って指がうずうずしても、こらえてね。希少性の原理でね、いつでも手に入るものの価値は勝手に下がるの。人間の脳は、手に入りにくいものを高く見積もる癖がある。あなたが四六時中スタンバイしてる限り、値札は下がりっぱなし。
返信の長さは、相手にそろえる。向こうが一行なら、こっちも一行でいい。長文で気持ちを盛らない。追いかける文章って、追いかけられてる側を油断させるだけだから。
お伺い文体を捨てて、提案文に組み替える。「もし良ければ今度ごはんでも…」じゃなくて、「金曜あいてる?寿司いこ」でいいの。日程を差し出す側に回る。断られたら?「りょ、また今度ね」でスッと引く。しつこく食い下がった瞬間、また元の椅子に逆戻りだから。引き際の潔さが、次の主導権を連れてくるんだよね。
深夜の「今から会える?」に、飛んでいくのをやめて
そして最大の山場。深夜の「今から会える?」問題。 これに飛んでいくの、今日でやめてほしい。終電後の呼び出しは、恋愛のお誘いじゃないの。
リョウくんの話をさせて。深夜一時に「起きてる?」が来たとき、彼は既読をつけずにそのまま寝た。朝になって、「ごめん寝てた、どうしたの?」とだけ返した。そしたら向こうから「なんか最近つれないね」って返ってきたの。立場が、ぐるっとひっくり返った瞬間。追う側と追われる側が入れ替わる音が聞こえた気がした、ってリョウくんは笑ってたよ。あの夜、もし飛んでいってたら、彼は今も検品ラインの上にいたと思う。
勘違いしないでほしいのは、駆け引きで女を釣れって話じゃないってこと。自分の生活を、彼女の通知より下に置くのをやめようって話なの。あなたの夜は、呼び出し待機のための空き時間じゃないんだよ。
引くタイミングは、先に線を引いておく
連絡を切るタイミングも、あらかじめ決めておこ。 返信の主導権を握り直して、提案する側に回って、それでも二週間、三週間、彼女の態度がまるで動かないなら。そこで引いていい。しがみつく理由、ゼロだよ。むしろ、あなたが引いた途端に慌てて連絡してくる女なら、まだ望みは残ってる。引いても無反応なら、その道は最初から一方通行だったってこと。それがハッキリしただけでも、前進でしょ。
正直に言っておくと、都合のいい位置から本命に昇格するケースが、ゼロじゃない。あるにはある。ただし条件つき。あなたが「いつでも会える便利な人」から「予定を合わせないと会えない人」に変わったとき、たまに女の脳が勝手に価値を再計算しはじめるの。昇格が起きるのは、追うのをやめた後。追ってる間は、一度も起きない。ここ、順番だけは絶対に間違えないで。
やっちゃダメなやつ
最後に、これだけはナシってやつ。 態度を変えた反動で、急に冷たくしすぎたり、「俺のこと都合よく使ってたよね?」って責める男の子、たまにいる。気持ちはわかる。超わかるよ。でも、それをやると全部台無し。恨みがましさって、いちばん恋愛感情を殺す味付けなんだよね。あと、勢いで「ずっと好きだった、付き合ってほしい」って重い告白をぶつけるのも悪手。追ってた自分の総決算みたいな告白は、相手にプレッシャーだけ渡して終わる。変えるのは態度と距離だけ。言葉で詰めない。黙って立ち位置をずらすほうが、百倍効くから。
相手を変えるんじゃない。立つ場所をずらすだけ
追わせる男のマインドって、テクニックよりずっと手前にあるんだよね。 自分の時間を、誰かの返信待ちのために空けておかない。仕事でも、筋トレでも、くだらない趣味でもいい。夢中になれる何かがあると、LINEの一通に人生の主導権を握られなくなるの。余白が埋まると、待つ苦しさも自然に薄れていく。返信がなくても、まあいっか、で夜が普通に過ぎてく。その状態に入ったとき、不思議なんだけど、向こうが振り向くんだよね。人って、自分に依存してこない相手を、急に気にしはじめる生き物だからね。

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