イベント終わりの駅までの道は、なぜか毎回恋愛相談タイムになるんですよね。先週の金曜もそうでした。ガヤガヤした改札前で、参加者の絵里さん、28歳の事務職さんがスマホをすっと差し出してきて。画面に光っていたのは、サークルで知り合った彼からの一通。
「予定合えばまたご飯行きましょう!」
ピロンと鳴ったこの文面に、彼女は二日も固まっていたそうです。下書きには書いては消した跡が何往復分も。指先は画面の上で止まったまま。で、最終的に送ろうとしていたのがこちら。
「私も予定合えばぜひ!」
待って、それだけは送らないで!ホームのアナウンスに負けない声が出ちゃいました(笑)
予定が合えばに予定が合えばで返した恋は9割消える
現場で見てきた肌感覚として断言します。曖昧な誘いを曖昧な返事で受けた二人は、ほぼ自然消滅する。打ち上げで、あの人とどうなったの?と聞いた時の答えが、なんか流れちゃって…(泣)になるパターンの大半は、このオウム返しなんだよね。
仕組みは単純で、お互いがボールを持っていない状態になるから。誘った側は誘った気でいる。返した側も返した気でいる。なのに日程は1ミリも動いていない。テーブルの真ん中にボールをぽとんと置いて、二人で眺め合っているような図です。誰も拾わないまま、トーク画面だけがすうっと下へ流れていく。
厄介なのは、本人たちがどちらも、脈なしだったかと解釈しちゃうこと。絵里さんの相手の彼に後日それとなく聞いたら、社交辞令っぽい返事だったから諦めようかと、ですって。いやいや、彼女は二日悩んでたんですけど!?あの下書きの跡、見せてあげたかった…すれ違いにも程があるでしょ。
型はひとつだけ、温度を半歩上げて具体をひとつ足す
難しい駆け引きは要りません。相手の文面より気持ち半歩だけ前のめりにして、日付か場所、どちらかの情報をひとつ足す。これだけです。
人は開示されると開示を返したくなる。心理学でいう返報性で、カウンセリングの現場でも語られる定番の話ですが、恋愛のLINEでこそ威力を発揮します。半歩の前のめりは、ここまで踏み込んで大丈夫ですよという許可証を相手に渡す行為なんですよ。
ここから関係性別に、そのまま使える文面を置いていきますね。
関係性別、コピペで使える例文
マッチングアプリでマッチした相手なら。
「ぜひ!前に話してた◯◯のお店、ずっと気になってました。来週あたりどうですか?」
会ったことのない相手には、過去の会話をひとつ拾って混ぜるのがコツ。ちゃんと読んでくれてる感は、そのまま誠実さとして届くから。もう少し丁寧に行くなら、「嬉しいです、ぜひ。◯◯さんのおすすめのお店も気になるので、再来週なら割と動けます」でも十分通じます。
職場の気になる人なら。
「行きたいです!今週は立て込んでいるので、来週の水曜以降だと動きやすいです」
社内は周りの目もあるし、がっつかない範囲で自分の都合を先に開示しちゃうのが正解。曜日が出た瞬間、社交辞令は予定に変わります。
友達以上恋人未満なら、もう一段崩していい。
「合えばじゃなくて合わせるわ(笑)いつ空いてる?」
これ、サークル内で実際にカップルが生まれた返信です。本人公認で載せてます。受け取った男性いわく、あの一言で初めて異性として意識したらしい。距離が近い関係ほど、軽さの中に本気をひと匙。
しばらく連絡を取っていなかった相手や元恋人なら。
「久しぶりにそれは嬉しいかも。近況も聞きたいし、月末あたりどう?」
ブランクのある相手には、感情をひと言だけ乗せると再開がなめらかになる。重くならないギリギリの線がこのくらいです。
温度感がまだ読めない時の返し方
見極めたい様子見の段階なら。
「いいですね!◯◯さんは平日と週末、どっちが動きやすい派ですか?」
自分の予定は伏せて、相手の生活リズムだけ聞く一通。返事の速さと熱量で脈を測れる、いわば試し打ちです。
正直そこまで乗り気じゃない相手なら。
「ありがとうございます!しばらく仕事が立て込んでいるので、落ち着いたらこちらからご連絡しますね」
こちらから、が付いた瞬間に察してもらえる定番の閉じ方。角を立てずに扉をそっと閉める言い回しとして、これ以上のものを私は知らないです。
返信のスピード、寝かせるのは逆効果
ついでによく聞かれる話をひとつ。駆け引きで一日寝かせる説、あれは現場感覚だと完全に裏目です。誘いを送った側だって、そわそわしながら通知を待ってるんですよ。当日中、できれば数時間以内が体感のベスト。深夜0時を回りそうなら翌朝で十分だし、即レスで軽く見られた例より、放置で冷めた例の方を私は圧倒的に多く見てきました。
やりがちなNG返信を3つだけ
ひとつめはオウム返し。冒頭の、私も合えばぜひ、の類で、これは試合終了の笛。
ふたつめが、了解です系のスタンプ一個。本人は感じよく受けたつもりでも、相手の画面では会話の終了通知にしか見えません。サークルの男性陣に聞くと、スタンプだけ返ってきた時点で誘うのをやめたという声、意外と多いんですよ。
みっつめは長文。勢い余って近況から週末の過ごし方まで詰め込んだ600字、みたいなやつね。受け取った側は返信という宿題を渡された気分になる。誘いへの返事は3行まで。想いは会った時に直接どうぞ。
デート確定までの3ステップ
ここからが本題です。前向きに返せたのに、いいですね〜の応酬のまま溶けていく人が本当に多いの。確定までの手順は三つだけ。
最初のステップは、候補日を二択で出すこと。いつ空いてますか?というオープンな聞き方は、相手の脳に負荷をかけます。手帳を開いて、全部の予定を思い出して、こちらとの優先度まで測って…と、考える工程が多すぎる。選択肢が増えるほど人は選べなくなるという行動経済学の有名な実験もあるくらいで、二択なら指一本で済むんです。
営業職の拓也さん、32歳の実例がきれいでした。半年間どの女性とも次へ進めなかった彼。聞けば毎回、いつでも大丈夫です!と返していたらしい。いつでもは、いつまでも来ない日の別名なんだよね。そこでこう変えてもらいました。
「来週の水曜か金曜なら早く上がれるんですけど、どっちかいけたりします?」
返信はまさかの3分後。金曜なら!で即決でした。隣で画面を覗いてた私の心臓までドッと鳴ったわ。
次のステップは、場所と時間をこちらで仮置きすること。
「じゃあ金曜で!19時に◯◯駅はどうですか?お店は気になってた△△を押さえておきますね」
どこがいい?と投げ返すのは、せっかく拾ったボールを相手の足元へ転がし直す行為です。仮でいいから決めて出す。嫌なら相手が直してくれるし、決めてくれる人という信頼が静かに積み上がっていきます。
最後のステップが、前日のひと言リマインド。
「明日楽しみにしてますね!何かあれば気軽にどうぞ」
地味でしょ。でもうちのイベントでも、前日連絡を入れた回と入れない回ではドタキャン率が目に見えて違います。楽しみと言われて嫌な人はいないしね。
相手の反応別、その後の動き方
二択に乗ってきたら、日程だけはその日のうちに固めてください。翌日へ持ち越すと熱はすっと冷めます。鉄は熱いうちに、って恋愛のためにある言葉だと思ってる。
その週は厳しくて、と濁されたら、翌週分を一回だけ投げ直す。「了解です!じゃあ再来週あたりでまた調整させてください」くらいの軽さで。それも流れたら、落ち着いた頃にまた声かけますね、と締めていったん引く。ここで食い下がらないことが、結局いちばん株を守ります。
未読や既読のまま止まったら、追撃は禁止。最低1週間置いて、誘いと無関係の話題からそっと再開してください。詰めた瞬間に重い人の箱へ入れられて、あの箱から出るのはほぼ無理ゲーなので。
撤退ラインは2回まで
打診が2回流れたら、もう追わない。炎上覚悟で言い切るけど、3回目の誘いから逆転した例なんて、6年間で片手に余るほどしか見ていません。追うほどに、相手の中での自分の値札がするすると下がっていく。あれを間近で見るたび、胸の奥がキュッとするの…。その熱量は、二択にちゃんと乗ってくれる人へ注いだ方がいい。
で、冒頭の絵里さんのその後。例文そのままは照れると言いながら候補日二択で送ったら、返事はたったの10分後。金曜空いてます!って。先月、二人並んでイベントへ遊びに来てくれた時の、あの伏し目がちなにやけ顔。
予定が合えば、は放っておくと社交辞令のまま乾いていく言葉です。動かせば約束に変わる。その分かれ道は、たった一通の返信だったりするんですよ。

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