社会人イベサークルでも、毎回のように「彼氏が重くて…」という話が飛び込んでくる。ランチ交流会の席でぽつりと打ち明けてくれたり、帰り際に引き止めるように話しかけてきたり。あの独特の空気、胸の奥に手を突っ込まれるような感覚、何度経験してもちゃんと息が詰まる。
なんで私ばっかりこんな気を遣ってるんだろう、って。
彼が不安そうにしてたら放っておけない
先日のイベントで知り合ったAさん(28歳・メーカー勤務)が、帰り際に教えてくれた話がある。彼氏が「今日、なんか冷たくない?」とLINEしてくるのが日課になっていて、仕事中でも返信しないとすぐ既読無視扱いで拗ねる。「ちょっと待ってほしい」が通じない。
胸がざわざわする。
そのAさん、「でも彼のこと好きだから仕方ない」って言いながら、目の下にうっすらクマができてた。
かまってちゃんな相手の行動パターンは、割とこんな形で現れてくる。返信が少し遅れただけで「怒ってる?」と送ってくる。SNSのストーリーを見たのに反応しないとすねる。自分の話を遮ってでも「俺の気持ちわかる?」と確認を求めてくる。予定を突然キャンセルすると「もう会いたくないってこと?」と解釈する。
全部、不安から来てる。
愛情が欲しいんじゃなくて、不安を消したいだけ。愛着理論の観点から言えば、こういう人の多くが幼少期に「自分がどう振る舞えば愛してもらえるか」を過剰に学習してきた背景を持っている。感情を使って愛情をもらうことを、子どものころから無意識にやってきた。それが大人になって恋愛に持ち込まれると、パートナーへの依存という形で浮き上がってくる。
病気でも性格の悪さでもない。でも、だからって無限に受け止める義理もないよ。
「この人には私しかいない」という思い込みの罠
疲れてるのに踏ん張り続けてる人、意外と多い。
うちのイベントで出会ったBさん(31歳・看護師)は、彼氏が精神的に不安定になるたびに仕事を早退してでも会いに行っていた。「会えないと死にたくなる」と言われたこともある。(これ、もう普通じゃないよな…)と心のどこかでわかりながらも、「私がいなかったら」という感覚が抜けなかったと話してくれた。
これが共依存のサイン。
共依存というのは、相手の問題を「自分が解決しなければ」という強迫的な使命感が恋愛に混入している状態のこと。Bさんは「彼を助けている私」が、いつしか自分のアイデンティティになってしまっていた。
自分に当てはまるかどうか、確かめてほしいことがある。
彼が不機嫌だと自分のせいかと思う。相手が怒らないように先回りして行動している。「重い」と思われそうで自分の本音を後回しにしている。相手が落ち着くまで自分の時間を犠牲にすることを、なんとなく愛情だと感じている。
ひとつでも当てはまるなら、関係性の重心がかなり偏ってるじゃん。
それは優しさじゃなくて、自分を削り続けるだけの消耗戦になってる。
もしかして、私もかまってちゃん?
ここからが、本当に大事な話なんだよねぇ。
かまってちゃんを引き寄せる人の多くが、実は自分の中にも似た感情を抱えていることがある。長年イベント現場でカップルを見ていると、よくわかる。「重たい彼氏に疲れた」と言いながら、自分も深夜に「ねえ起きてる?」とLINEを送り続けていたりする。
鏡みたいな関係性、あるんだよなぁ。
自分がかまってちゃんかどうかは、行動に出てることが多い。相手がフォローしているアカウントを全部確認してしまう。既読がつくまでスマホを手放せない。返信が来ないと最悪の展開を頭の中でシミュレーションし始める。「もう好きじゃないの?」と聞いて「そんなことないよ」と言ってもらわないと落ち着けない。
どきっとした人、いるんじゃないかな。
これは性格の問題じゃなくて、自己肯定感の低さと見捨てられ不安が合わさったもの。心理学では不安型愛着スタイルと呼ばれていて、特定のシーンでスイッチが入りやすい。
イベント後にCさん(26歳・広告代理店)がこっそり話してくれたことがある。「彼氏に『重い』って言われたとき、頭が真っ白になって、その後3日間ごはんが食べられなかった」と。言葉にするまで自分でも気づいてなかったって。
声にならない何かが、ずっと喉のあたりにつまってたんだと思う。
かまってちゃんな行動が、相手にどう映っているか
自分のかまってちゃん行動が、パートナー目線でどう見えているかはあまり考えたことがないかもしれない。
深夜の連投、返信を催促するスタンプ、「私のことどう思ってる?」の繰り返し。これ、受け取る側は最初は「愛されてるのかな」と思う。でも続くと…じわじわと逃げ場のない感覚になっていく。
愛情を確認したくて送ったLINEが、相手を遠ざけてる。
まさか、なんだよね。
うちのイベントに来た男性参加者のDさん(30歳・IT系)が、こんな話をしてくれた。「元カノが毎朝『おはよう、今日も私のこと好き?』って送ってくるのが最初はかわいかったけど、1ヶ月後には正直スマホを開くのが怖くなった」。
悪意があったわけじゃない。でも、毎日の確認作業が、関係に見えない圧力をかけていたんだよね。
不安型の人がやりがちなNG行動の根っこは「自分を信じられないから、相手に証明させようとする」ところにある。でも相手は証明機械じゃない。そこがずれ続けると、関係がゆっくりと壊れていく。
かまってちゃんを治してあげたいは危険ゾーン
かまってちゃんな相手は、パートナーが頑張れば変わるわけじゃない。よく現場で見る誤解だから、ちゃんと書いておきたかった。
「私が安心させてあげれば変わるかも」という気持ち、わかる。でも相手の不安は、あなたが埋められる種類じゃないことのほうが圧倒的に多い。コップに水を注ぎ続けるようなもので、注いでも注いでも底に穴が開いてたら意味がない。
それでも関係を続けるなら、試してほしいことが5つある。
まず、返信のペースを意図的に少し遅らせる。冷たくするためじゃなくて「この関係における普通のペース」を再設定するため。最初は相手が揺らぐかもしれないけど、そこで謝らないことが肝。
次に、相手の不安を「自分が解決すること」だと思うのをやめる。「心配してるんだね」と受け取るだけで、解決策を出さない。答えを出さなくていい。
3つ目は、自分の時間に名前をつけること。趣味でも友達との時間でも、「彼がいるから削れるもの」として扱わない。
4つ目、相手の感情の波に合わせて自分の機嫌を変えない。相手が拗ねていても「拗ねてるな」と観察するくらいの距離感を持てると、ぐっと楽になる。
5つ目、それでも苦しければカウンセラーに話を聞いてもらうことを選択肢に入れる。恋愛カウンセリングは「別れるかどうか決めるもの」じゃなくて、自分の感情を整理する場として使える。
自分がかまってちゃんなら、まず1個だけ変えてみる
もし「私もやってるかも」と思ったなら、まず1個だけ変えてみてほしいことがある。
相手への確認を1日1回減らす。
「今日も好き?」「怒ってる?」「ちゃんと私のこと考えてる?」これを1つ我慢する。最初は手が震えるくらい落ち着かなかったりするんだよね。でも送らない。
その不安を相手への連絡で消そうとするのをやめると、自分の中に「自分を落ち着かせる力」が少しずつ育ってくる。心理学的にはこれが自己調整力の回復で、不安型愛着を緩めていく土台になる。
イベントで出会ったEさん(29歳・フリーランス)が言っていた。「確認LINEを1日1本にするって決めたら、最初の1週間はモヤモヤが止まらなかった。2週間後には、返信を待てるようになってた」と。
小さいことに見えるけど、あれは本当に大きい変化だと思う。
自分の不安を「相手に解消させる」クセから、「自分で受け止める」練習に切り替えるだけで、関係のバランスがじわっと変わっていく。
別れるべき?続けるべき?を考える前に
答えを出すより先に、確認してほしいことがある。相手があなたの伝えたことを「何度言っても」越えてくるかどうか。「もう傷つけない」と言って同じことを繰り返すかどうか。そして今、自分のことを後回しにし続けながら「でもこの人には私が必要だから」と思い続けているかどうか。
全部当てはまるなら、それは愛情じゃなくて、疲弊の慣性になっている可能性がある。
半年ぶりに再会したAさんが、ふとこぼしてた。「別れを選んで、最初の1ヶ月は後悔しかなかった。でも今、ごはんが美味しく食べられる」って。
恋愛って言葉より先に、まず自分が穏やかに食事できてるかどうかが、関係の健康状態を一番正直に教えてくれる気がするよ。

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