好きになった瞬間に、もう負けている気がする。
そういう恋愛、ずっと繰り返してない? 相手のLINEが来るたび、既読がついた瞬間に返信の文章を三回書き直して、デートの翌日は連絡が来るまでソワソワして過ごす。気づいたら完全に「追う側」になっていて、相手はどこかのんびりしている。
これ、性格の問題でも、顔の問題でも、運の問題でもない。
イベントの現場で何百人もの男女を見てきて、はっきり言える。追われる人と追う人の差は、テクニックより先に、立ち居振る舞いが違う。
追われる人は、最初から違う空気を持っている
社会人交流イベントで毎回必ず「この人、絶対モテるな」とわかる人がいる。顔が飛び抜けているわけじゃない。トークが特別うまいわけでもない。でも、なぜか周りの視線が自然に集まる。
先日のイベントで出会った、28歳のAさんがまさにそのタイプだった。
会場に入ってきた瞬間、スマホを見ながらではなく、さっと部屋を見渡してから席についた。飲み物を頼むときも、周りを伺わずに自分のペースで注文する。会話中は相手の目を見るけれど、ずっとニコニコしているわけじゃない。笑うときは笑う。静かなときは静か。
その日のイベント終了後、Aさんに話しかけてきた男性は3人いた。Aさんは誰とも連絡先を交換しなかった。でも、後日主催者に「あの女性、また来ますか?」と問い合わせた男性が2人いた。
何もしていないのに、追われていた。
「好き」を出しすぎると、相手の興味が冷める理由
恋愛心理学の世界に「認知的一貫性理論」という考え方がある。人間は、手に入りそうなものより、手に入るかどうかわからないものに強く引きつけられる。不確実性が、人の脳をドキドキさせる。
これをイベント現場で目撃したのが、26歳のBさんのケースだった。
Bさんは気になる男性Cさんに、会ってすぐ全力で好意を伝えた。「話しやすい」「また会いたい」「今日来てよかった」。Cさんも最初は嬉しそうにしていたんだけど、帰り際になるとどこかそわそわしていた。
その後、BさんはCさんにLINEを送り続けた。返信が遅くなり、やがて既読無視になった。
Bさんから後日相談を受けたとき、「何がいけなかったんですか」と聞かれた。
正直言って、全部出しすぎたんだよね、と思った。
好意を全部見せると、相手は「もう確定した」と感じる。不確実性がなくなった瞬間、脳は追いかけるのをやめる。これは冷たい話でも、駆け引きでも何でもなくて、人間の脳の仕組みとして、そうなっている。
立場が下がる人がやっている3つのパターン
現場を見ていると、立場が逆転するタイミングにはだいたい法則がある。
ひとつ目は、相手のペースに完全に合わせること。返信が来たらすぐ返す、誘われたらすぐ行く、相手の予定を最優先にする。これ、一見優しいけど、相手から見ると「いつでも動いてくれる存在」になる。希少性がゼロになる。
ふたつ目は、承認を求めすぎること。「楽しかったよね?」「また会える?」「怒ってる?」系の確認LINEを繰り返すパターン。送るたびに、自分の不安を相手に処理させている状態になる。相手は気づかないうちに疲弊して、距離を置く。
みっつ目が、一番やっかいで、自分の話を聞いてほしくて話しすぎること。場が沈黙になるのが怖くて、ひとりで喋り続ける。相手は聞き役になり続け、次第に「この人と一緒にいると疲れる」という印象が積み重なる。
どれも悪気はない。むしろ、好きだから出てしまう行動。でも、結果として立場を下げている。
追わせる人が無意識にやっていること
Aさんの話に戻る。
後日、Aさんと直接話す機会があって、「どうしてあんなに余裕があるんですか」と聞いたことがある。
余裕? 全然ないですよ。ただ、その日のイベントを楽しもうと思って来ていたから、その場の空気を楽しんでいただけで。
追われる人は、相手を落とそうとして行動していない。自分が楽しいかどうかを基準にしている。だから、空気が軽い。誰かに依存していないから、自分の世界がある。自分の世界がある人は、それだけで磁力を持つ。
具体的に何をしているかというと、まず返信の速さを一定にしない。毎回すぐ返すのではなく、忙しいときは普通に遅くなる。これだけで「この人は自分の生活がある」という印象になる。
会話では、自分から質問するだけじゃなく、話の途中でふっと間を作る。しーんとした一瞬を怖がらない。沈黙に耐えられる人は、それだけで落ち着いた印象を与える。
誘いに対しても、予定があるときはちゃんと断る。毎回OKを出さない。断ることは冷たさじゃなくて、自分の時間を持っている証明。
LINEでじわじわ立場が決まる話
正直、LINEの使い方で恋愛の9割が決まると思っている。
イベントで知り合ったDさんとEさんのケースが面白かった。Dさんは毎朝おはようLINEを送り続け、Eさんはたまにしか連絡しない。3週間後、EさんからDさんへの感情が消えていた。
Dさんは何も悪くない。でも毎朝送られてくるおはようは、いつしか「義務」になった。返さなきゃという重さになった。
追わせるLINEの鉄則は、読んで終わりにしない文を送らないこと。毎回きれいに終わらせるんじゃなくて、たまに余白を残す。「今日ちょっと面白いことあってさ」で終わって、肝心な話は送らない。相手が「何があったの?」と聞きたくなる仕掛けを作る。
これ、ずるいと思うかもしれないけど、会話って本来そういうもの。気になる話の途中で席を立たれると追いかけたくなるじゃん。それと同じ。
「選ばれる人」の特徴は、実は外見より先に内側にある
現場でずっと見てきて、これだけははっきり言える。
見た目がいい人が必ずしも追われるわけじゃない。でも、自分の機嫌を自分でとれる人は、例外なく追われる。
自分の機嫌を自分でとれるというのは、相手に感情のお世話をさせないということ。悲しいときに、相手を困らせない。不安なときに、相手を責めない。自分の感情に自分で対処できる人間は、一緒にいていて疲れない。疲れない人は、長く一緒にいたくなる。
イベントで毎回必ず誰かと連絡先を交換してくる人と、毎回誰とも繋がれない人の違いを観察し続けた結論がこれ。
自分が充実しているとき、人は自然と会いたくなる。趣味があって、友達がいて、仕事にやりがいがある人は、そこにいるだけで魅力的に見える。恋愛のためだけに生きているように見える人は、どこかしら重い。

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